教材と勉強する順番(2) 必須教材
◆必須教材
必須教材というのは、さすがにこれをやっていないと受からない、演習を行なうことができないというレベルのものです。要は、必要最低限の知識・技術を得るための教材です。
ただ、勉強の進度・環境によっては不要な場合があります。この点についての判断は、後述の「必須教材は万人に必須か」の項目を読んでください。
◎入門書
なにはともあれ最初は入門書がよいでしょう。概説書や予備校本等の初学者向けの本とはいえ、いきなり読みこなすのは困難です。法学は体系的学問ですから、大枠を理解してから徐々に深めていくのが良いです。
私がオススメするのは『伊藤真の●●法入門』です。「伊藤真の法律入門シリーズ」というやつですね。
◎基本知識のインプット
次は基本知識のインプットをすることになります。教材は、ざっくりと一通りの基本知識を得られれば何でも良いです。
予備校の講座を受けるなら基礎マスでも総合講義でも良いです。他の予備校のでも良いです。もちろん、ロースクールの授業とかでも良いです。違いとしては一気に勉強できるのか、週1で少しずつ勉強していくのかの違いです。それぞれに学習効果があるようです。
もう一つの違いとしては、予習の要否ですね。ロースクールの授業は予習が必須なので、全くの初学者がそれでインプットしていくというのは若干ニーズに合ってないかも知れません。まずは予備校講座で一通りインプットしてから、ロースクールの授業に臨むというのも一つの方法です。
また、予備校本(呉基礎本、シケタイ、C-BOOK等)を利用するという方法もあります。予備校やローに行っていない人は、ざっと読んでください。ロースクールの授業の前に予備校講座を受けるという方法を挙げましたが、講座の代わりに予備校本を読むというのもありです。予備校本はかなり分かりやすく書かれています。
ただ、初学者の頃は人の説明(講座・授業)を聞く方がよいと一般的に思っています。行間といいますか、理解に必要な補足をしてくれるのでやはり人に説明してもらう方が分かりやすいのですよね。もちろん説明がいまいちな先生もいますが。
なお、読書が得意な人は概説書(非・体系書、比較的薄め)を一通り読むのでも良いです。ただ、概説書は予備校本に比して論点の強調が弱いので、次の予備校問題集には繋げにくいかも知れません(もっとも、これも読書が得意な人=論理の把握が得意な人はそこまで困らないかも知れません)。
◎予備校問題集
予備校問題集は、いくつかの使い方ができます。この段階では、(1)問題の解き方の「基礎の基礎」を学ぶ、(2)論証の使い方を学ぶの二つの使い方を意識してほしいです。これら以外に使い方はあります(次回記事「実戦演習教材」で書きます)が、はじめて手を付けたときはまずこの2つの観点から勉強すると良いですよという話です。
∇問題の解き方の「基礎の基礎」の理解
まず第一は、問題の解き方の基礎の基礎を身につけることです。本当に問題の解き方を身につけるには、実践演習するしかありません(後日の記事で書きます)。しかし、まず、本当に基礎の基礎の部分を教わるなりなんなりで知る必要があります。民法なら、まず人物関係図を書いて、請求を考えるとかですね。
これは、論マスや重問解説講座とかを利用することになります。このとき、解き方にあまりにこだわりすぎて、全然分からない・解けないと感じ、なかなか進められないという事態は避けるようにしてください。上記のとおり、本当に解き方を身につけるには、実践演習するしかありませんから。とりあえず、講義をざっくり聴いて、なんとなく「こう解くんだな~」くらいの感覚が得られれば良いです。
ちなみに、ローとかだと弁護士講師がゼミを開いてくれたりします。積極的に利用してください。
なお、講座を受けない人や、解き方の基礎とは何かの理解の補助線がほしい方は、このブログの「事案処理方法」の総論についての記事(こちら)や、各科目の事案処理方法、問題文の読み方の記事に目を通してみてください。多少は参考になると思います。
これは、論マスや重問解説講座とかを利用することになります。このとき、解き方にあまりにこだわりすぎて、全然分からない・解けないと感じ、なかなか進められないという事態は避けるようにしてください。上記のとおり、本当に解き方を身につけるには、実践演習するしかありませんから。とりあえず、講義をざっくり聴いて、なんとなく「こう解くんだな~」くらいの感覚が得られれば良いです。
ちなみに、ローとかだと弁護士講師がゼミを開いてくれたりします。積極的に利用してください。
∇論証ドリル
次に論証の使い方を学ぶことについて解説します。
これは本当に強調したいのですが、司法試験は「論点」が聞かれます。答案の書き方は論点が中心になります。また、問題文の読み方も、論点に関わる事実が問題文に並んでいるということを意識しながら読むこととなります。
したがって、予備校問題集の使い方は、論点がどう書かれているか・書くべきかを理解し、また、この事実があるとこの論点を使うのだなという論点発見の感覚を身につけることが目的となります。この予備校問題集の使い方について「論証ドリル」と言っています。
上記の問題の解き方の基礎の基礎も正しい論点にたどり着くための方法として位置づけられます。事案処理方法と私が呼んでいるものも同じです。
∇具体的進め方
具体的な使い方としては、初期の段階は、解かずに、問題文を読む→解答を読む→解説を聴く・読む(→書写する)(→何も見ずに書いてみる)というのが良いと思います。最初からがっつりやるより、まずはざっと見る感じで、スピードを付けて進めることが大事です。
何も見ずに書いてみるというのは、「実戦演習」段階で行なえば良いです。もちろん、やりたい場合は適宜やっても良いです(5問に1回とか)。書写も同じです。全く手を動かさないと飽きてきてしまうので、やること自体はOKです。ただ、スピードは意識してください。
∇繰り返す回数
繰り返す回数ですが、これは一概に言い切るのは難しいです。上記のとおり、主要目的は論証ドリルにすぎず、次の教材は重要論点に一通り目を通すための「論証集解説講座」です。さっと次に行っても良いですが、あまりに理解が薄いと論証集解説講座の理解が進みません。といっても時間をかけ過ぎるのも…となかなかに悩ましいです。問題文を読んだときに、ぼんやりとでもいいので「あの論点だな」「こう書く感じだよな」くらいのイメージがつけばよいわけですが、そこに至るのに人によっても差があると思います。まぁ、あえて回数を明示するなら、2~3回くらいが目安になるでしょうか。目を通して講座を聴く回を1回、復習的に目を通すのを1~2回くらいです。
◎論証集解説講座
私はアガルートの「論証集の使い方」講座を受けていました。インプット講座との違いとしては、一通りの法学知識を教えてくれるのではなく、定義や論証等の答案に書けないとダメな知識に絞って教えてくれるという点です。インプットテキストを回すより、より短い論証集を回すことにニーズがあるので作られた講座だと思います。
この類いの授業は、他の予備校にもあります。伊藤塾はシケタイの定義や論証等の部分の解説講座がありましたし、辰巳も趣旨規範ハンドブックの解説講座がありました。たぶんいまもあると思います。これら以外の予備校は確認していませんが、たぶんあるんじゃないでしょうか。
この講座の利用方法としては、「論証集を読めるようになること」が挙げられます。予備校問題集をやって論点の論じ方を分かった後は、重要論点を一通り確認するのが良いです。予備校問題集だけだと重要論点を網羅できないからです。ただ、論証集をいきなり読むのは難しいです。記述を絞っているので単純に理解しにくいのですよね。そこで、人に解説してもらいながら頭から最後まで目を通そうということになります。
ただ、この類いの講座で論証集を完全に理解できるわけではありません。繰り返し読んだり、実際の問題で使ってみたり、ほかのインプット勉強をしていて「そういうことか」と理解が深まることもあります。論証集を見ることを億劫にしないようにするために一度目を通すくらいの位置づけで気負わずに聞いてもらえればなと思います。
(なお、この講座を受けないという人は、講述の論証集通読を行なうときは、とかく最後まで読むということを意識してください。予備校問題集と違って、論証集の方は講座を独立の項目にしているのはそれなりに理由があります。論証集って、単体だと理解が難しいので、読み通すのが結構大変です。理解するためと言うより、最後まで目を通すために講座を受けた方が良いよという話です。)
◎論証集通読1回目
∇論証集の使い方
以上の論証集解説講座を見た後は、論証集を一度通読してみてください。
論証集というのは、今後、試験前等に繰り返し読むことになります。それは論証は答案に書かないとダメな知識だからです。当たり前の話ですが、直前に読んだ方が頭に残るので、答案に書けるわけですね。したがって、今後の繰り返しの第一歩とも言えます。
なお、読む際は、目を通すだけで良いです。「覚え」ようとしないでください。この話は別記事「予備校論証集の使い方」を読んでください。
∇勉強範囲の羅針盤
これに加えて、論証集を、勉強の羅針盤、すなわち、知っておくべき知識と知らなくていい知識の区別の参考にしてほしいです。過去問もそうですし、これからいろいろな問題を解いていくことになると思いますが、「知らない問題」というが結構出てきます。そうすると受験生としては不安になって「全部知らないとダメだ」となり、インプットを過度に重視した勉強に陥りがちです。
答案の書き方の基礎もできていないのに、「インプットテキストをもういちど読み直そうと思います」という方がちらほらいます。司法試験に必要な4能力は最初の記事で解説しましたが、体系的知識だけではなく、問題発見能力・問題解決能力・答案作成能力も必要なわけです。これは100万回インプットテキストを読んでも身につきません。問題を解くしかないのです。
そうすると必然、どこかでインプットを切り上げる必要が出てきます。言い換えれば、「知らなくていい問題」は勉強せず、現場思考的に切り抜けるというスタンスをとる必要があります。この「知っておくべき問題」「知らなくていい問題」の判断基準の一つが論証集に載っているか否かになるわけです。
もちろん、論証集だけで完璧なわけではありません。合格率を上げるためにはいわゆる「種本」的なものをやった方が良いですし、他のテキストを読むことで理解が深まることもたくさんあります。ただ、それは「できればやった方が良い」というレベルで優先順位が下がります。ちなみに、後の記事で「可及的教材」と分類した教材を挙げますが、これはこの「できればやった方が良い」というものになります。
∇補足――論証集は必須か
逆に論証集は必須かという話もしておきます。まぁ、別に必須ではないです(とすると、必然、論証集解説講座も不要となります)。考えなければならないのは、何を目的にして論証集を使うか、です。
上記のとおり、1.試験直前の見直しテキスト、2.試験に必須の知識・論点網羅の2点です。であるなら、ほかの教材でも代替できることは簡単に分かると思います。
ただ、「代替」は必要なわけです。論証集を使っていない・要らないという合格者を見かけますが、彼らは過去問は当然として、演習書も2~3冊くらい解いています。それだけやりゃそりゃ知識・論点網羅できるよって話です。そして高頻度で演習したり、見返しポイントに付箋を貼ってたりで、知識面も準備できているわけです。
「あれやらないとダメ」「これやらなくていい」等は人によって言うことが変わります。これは、私が「合格者バイアス」と呼んでいるものが原因ですが、なんにせよ「合格にとって何が必要か」は最終的には自分で考える必要があります。そういう意味で、過去問演習・分析は重要なわけですね。
◎条文の目次&見出し通読1回目
必須教材の最後は条文です(条文を教材というのも変ですが)。
条文を読む目的は、法学的に大事だからと言うより、試験本番中に引けるようにするためです。いわゆる条文操作です。
普通に勉強していると、条文を引くのは結構億劫になります。やはり答案の中心は論証ですから、究極、引用しなくても答案らしきものは書けます。なので、引かなくなってしまいます。
しかし、本番時には手元に六法があるわけです。要は、これを手がかりに問題を解けという話なのです。そもそもこれ何の問題なのかなとかも条文をみて気付くことがあります。また、条文に紐付けて論証を理解していると、条文をみれば論証を再現しやすくなります。もっというと、マイナー条文を引かせて現場で未知の問題を解かせるみたいな問題類型もあります。要は、司法試験では条文操作ができるようになると問題を解きやすくなるのです。
受験生が条文を引くのが億劫になってしまうのは、毎度一から探さないとダメなのが面倒だからだと考えています。「条文は逐一引け」と指導されることが多いと思うのですが、逐一引いていたとして、条文を順番に覚えるなんて無理なわけですから、一から探さないとダメな状態というのは改善しません。まぁこれは経験則なんですが、逐一引いていても条文操作ができるようになった感覚はありませんでした。
むしろ、条文のだいたいの構造を頭に入れて、「こういう感じの条文はたぶんこのあたりにあるよな」という当たりを付けられるようになる方が条文操作できるようになります。要は、だいたいの当たりがつくなら、そんなに億劫にならないので、フットワーク軽く条文をめくれるわけですね。
この、だいたいの構造を頭に入れるための勉強法ですが、目次に目を通した後に、条文の「見出し」(民法一条なら「(基本原則)」と書いてる部分です)だけを見ながら頭から最後まで目を通す、という方法をオススメしています。これでなんとなくの当たりはつけられるようになります。条文ってだいたいこういう構造になってるんだなとか、このあたりにこういう条文あるんだなとかが見出しを読むだけで分かります。
(余談ですが、個人的な経験の話をします。会社法で目次をみたりして全体構造を把握しようとしていたのですが上手く行っていないときがありました。そこでいっそ全体をざっと見てみるかと本当にざっくりとですが目を通しました。ざっくりなので見出しくらいしか目にとまらないのです。そしてその際、「第6章 定款の変更」の条文の位置を全体の構造の中で認識してたときに、会社法の構造が頭の中で整理されていく感じがありました。目次以上に肉付けして構造を把握したのもそうなんですが、「全部載ってんな」と感じたので積極的に条文を引くようになりました。)
ざっと目を通しやすくするための補足の方法としては、問題集や過去問を解いているときに「答案に出てきた」条文の頭に赤点を付けておくメリハリがついて良いです。要はこれは答案に書けないとダメ=現場で引けないとダメな条文ですから。で、赤点がついている条文は少し詳しめに見るというわけです。メリハリがつきます。
なお、刑訴は本番の六法では見出しがありません(市販の六法の見出しは編者の先生が付けているのです)。しかし、市販の六法の「見出し」だけを見る方法で、全体のなんとなくの構造が頭に残ります。その構造があれば、本番の六法で見出しがなくてもあの条文はこのあたりだったはずと探しやすくなります。刑訴でもこの読み方に意味があるということです。
◎補足――必須教材は万人に必須か?
∇完全純粋未習者以外は飛ばしても良い
ロースクールで本格的に勉強始めたけど、法学部出身だったりして法学にある程度触れたことのある人は、すっ飛ばしても良いです。「学部で全然勉強してなかったよ…」って人でも大丈夫です。定期試験を突破しているならすっとばせるくらいの力はついています。
要は、勉強の方向性を定める力があるかないかです。いってしまえば、必須教材は初歩の初歩の勉強の型、法学の基礎の基礎(三段論法とか)を身につけるためのもので、本格的でなくても法学をある程度勉強したことがある人ならその点は突破できているのです。
この場合、後の記事の実践演習や可及的教材をロースクール授業とかと並行しながら、または基本書を片手に取り組んでいくことになります。
それがきついなと思ったら、必須教材に列挙している教材を潰すというのをやってみてください。私の同期に、学部で全然勉強していなかったけど、最終的に超上位合格という人がいます。この人も「予備校本わかりやすい」とステップの一つとして読んでましたから、おかしなことではないです。
∇完全純粋未習者はすっ飛ばせるか
≫定期試験に間に合うかがポイント
ロースクールの授業で課題として出されているレジュメを読む、問題を解く、加えて、該当範囲の基本書を読む、演習書を解く、という理想的な勉強ができそうならそうしてください。
ただ、ロースクールの授業は進度が速く、また量も多いです。ついていけないということが起こりえます。その場合は、恥じずに上記で列挙している予備校教材でも何でも使ってください。
特に問題になるのは、「定期試験に間に合うのか」という点です。授業を一通り受け終わって、よし問題を解くぞ(解けるぞ)となったとき、すでに定期試験日が迫っているわけです。
また、基本的に普通の問題集には解答がついていません。「お手本」を知らずに、答案を書くというのは相当難易度が高いです(予備校問題集の答案が本当にお手本たり得るかは置いておきますが、答案の書き方の基礎は学べることは間違いありません)。市販の学者先生の問題集(演習書)を、ゼミや解説講座でモデル答案を用いながらやるならともかく、自学で行うのはハードルが高いです。要は、時間が掛かります。
予備校講座・本・問題集は、それが基礎として必須というより、ロースクールのスピード感について行くために便利だよ、という位の位置づけになります。当然、それ以外の立場の人なら何をどう使っても良いです。難易度は適切な方が良いですが。
なお、教授担当の授業の場合、人によっては独特の問題を出してくることもあります。これはもうそういうものとして受け入れるしかないです。ただ、要は知識を聞いてきています。したがって、問題の解き方の基礎(「事案処理方法」等)を問題集等で学びつつ、その上での知識整理として位置づけると受験勉強と矛盾しないと思います。これを転倒させないよう気をつけてください。
≫憲法
上記のとおり、定期試験に間に合わせるために予備校教材を使うことは悪くないのですが、憲法だけは、少し検討する必要があります。要は、予備校問題集を漫然とやっているだけでは対応できない、あまり資さない可能性があるということです。
一学期の定期試験でも、論証ベタ貼りでは解けない、応用的な問題が出る可能性があります(実は応用というか、憲法自体の性質によるものですが)。これを解くには、三段階審査等の枠組みの理解、そしてそれに照らし合わせながら諸知識の一定の理解と整理を行うことが必要です。ある程度の実践演習も必要でしょう。
この点、憲法と他の科目は峻別してください。予備校問題集に取り組むのは構わないのですが、さらに理解を深める必要があります(なお、基本書を読むことではなく、解き方の理解とそれに沿った知識の整理であることに注意)。ここは本当に強調したいところです。憲法と他の6科目は別物です。同じ思考方法・勉強方法ですんなりと行かない場合があります。それは他方で、ほかの科目は1年次の試験では論点ベタ貼り程度で足りるという話ですが。
ただ、じゃあ上記の必要を充たしてくれる演習書は何ですか?と聞かれると、私の方では申し訳ないのですが自信を持って勧められるものがありません。
私は『憲法ガール』を上記必要を充たすために使っていましたが、勉強が進んでもやはり上手く解けず、藁にもすがる思いでという状況でした。三段階審査とか判例知識はある程度あったわけです。とすると、初学者がいきなり本試験問題をみるというのは少々ハードル高いかなと。たしかに、丁寧にステップを踏んでくれますし、なによりも検討枠組みに沿った形での模範答案があります。しかし、といってもやはり本試験だしな…という感じです。
(なお、当時知られていたテキストである『解釈論の応用と展開』『憲法上の権利の作法』『憲法論点教室』も読んでいましたが、問題を解くレベル・答案作成のレベルの向上に直接的に役立たせるにはやや飛躍がありました。)
初学者向けに良いとの評判を聞いていたのは『憲法の急所』とかですが、いまはもっと良いものが出ているかもしれません。ご自身で探してみてください。
≫民訴
民訴は、定義と論証ベタ貼りと当てはめと、要は普通の問題なんですが、そもそもその定義と論点の理解が難しいという点があります。予備校問題集を解いても、その部分がそんなに進むわけではありません(そもそもの書き方を学ぶためにやってほしくはありますが)。理解のために授業をがんばるなり、『ロープラクティス民事訴訟法』をやってみるなりというのが資するかと思われます。
◆次の記事
以上が必須教材についての解説です。これで司法試験に合格するための必要最低限の知識は押さえることができるはずです。ここから、新たな知識を増やすのではなく、いったん実践型ないしそれに近い演習を開始するという段階に入ることをオススメしています。この段階が、次の記事で解説する「実践演習」です。