今年の司法試験に落ちてしまった人へ【論文合格発表期向け記事】

そんなに落ち込まないでください。

私は、勉強開始から11年、受験回数8回、受かったのは34歳です。なんならロー3年制のところ留年して4年行ってます。

司法試験は失権してからが本番です。4回目合格とか短期合格です。3回目の人とかまだ司法試験の酸いも甘いも知らないひよっこです。

世には17年という超人もいます。その弁護士の方はいま社会で超絶に活躍しています（百選に載るような判例も勝ち取っています）。要はどうとでもなるという話です。私もいまのところ年数の長さでは1ミリも支障が生じていません。繰り返しになりますが、どうとでもなります。

さて、本題です。まずなぜ落ちたのか分析しましょう。

私の経験と受験指導等で得た感覚では、基本的に原因は、

(1)予備校論証集をつぶしていない、

(2)過去問をつぶしていない、

の2つです。司法試験は知識と解き方の理解の2点が必要です。(1)(2)を行うことでその2点を身に付けることができます。なお、(1)は、覚えようとしたりせず、まずは3回通読でよいです。(2)は全年度の答案作成までは不要です。最低3年分は実際に解いて書いて、それ以外は問題文・解説・再現答案を読み込むだけでもいいです。最低限ですが。

これを行ったうえで落ちてしまった人は、たぶん、

(3)全く未知の問題が出てくると対応できない

(4)働いていて（もしくは体調不良とかで）最後の詰め込みの時間が取れなかった、

のどちらかが原因でないかなと思います。ただ、これらも、未知の問題の解き方を自分の中で整理しておく（必要性相当性でオリジナル規範を立てる等）、時間の取り方を工夫する、と対処方法は割と明確です。

最後に、運が悪かった、問題を読み間違えた、というものがあります。試験は水物ですからそういうこともあります。ただ、(1)～(4)の全部ができていたなら十分に力があるので自信を持ってください。運が悪かっただけです。

以上でだいたい落ちた原因の分析はできたのではないでしょうか。これで試験を続けるべきかやめるべきかフラットに考えられるようになります。

そこで、次に、試験を続けるべきかどうか考えましょう。なお、今の段階で続けようと思っている人はそのまま続けてください。以下は複数回受験等で、続けるべきか、続けられるか、本気で悩んでいる人向けです。

まず、いろいろな人にいろいろと話を聞いてみてください。続けるべきかも含めてです。思考の客観化ですね。合格者、不合格者、撤退者、失権者、同期、知人・友人、等々。転職支援会社の人（ロー卒向けの支援会社があります）なんてのも有意義です。なお、親類等の近しい人への相談はいろいろ絡んできて客観化しきれませんので、それ以外の人たちにも必ず聞くようにしてください（「もう止めた方が良い」とかバッサリな意見も聞けます）。

そして、自分がなぜ法曹になりたいと思っているのか考えてみてください。それでなぜの理由が分かったら、さらにそれがなぜなのか考えてみてください。7回くらい繰り返すと本当の理由に至ります。

以上をふまえてどうしても続けないといけないか、そうでもないか考えてください。

世に仕事はたくさんあります。それぞれにやりがいがあります。別の仕事を選んでもよいのです。司法試験の呪いによりそんなことも分からなくなってしまいます。

ちなみに私は、それを考えたうえで、二つの理由から続けることにしました。

一つは私の人生の目的にとって必要不可欠であったことです。割と特殊だと思うのですが、弁護士になることが強く必要とされる状況でした。

もう一つは自尊心です。くだらないですね。でもそのくだらなさこそが人間の核心部分だと私は思っています。

続けると決めたら、合格までの条件整備・ロードマップを検討しましょう。経済的基盤、勉強時間の確保、勉強計画の練り直し、等々。

ちなみに、一番大事なのは経済的基盤ですね。飢えてしまうので。私は法律事務所事務局でフルタイム契約社員やっていました（拾ってくれた先生には感謝しかありません）。その前は親に頭を下げてました。途中から下げてもダメになったわけですが。

長くなりましたが、お伝えしたいことは以上です。

いまは立ち上がるのすら困難な状況かもしれません。人生お先真っ暗だと。なんで司法試験なんか目指しちゃったんだろうなと。

でも大丈夫。心配しないで。なんとかなります。世に無数にいるなんとかなった人達が証人です。

（投稿日：２０２２．９．６）