与五沢悟講師の合格体験記の紹介

私も講師をしています個別指導塾リーガルゲートの同僚である、与五沢講師の合格体験記がアップされました。非常に良い内容でしたので、ご紹介したいと思います。


直接読んでいただければそれで足りると思いますが、私が素晴らしいなと思った部分について少しだけコメントします。

1.教材を絞っている

まず、この点が良いと思いました。手を広げてしまうとその教材の習熟度が下がってしまいますから。また、絞った対象が予備校問題集というのも非常に合理的です。アウトプットを通じてインプットをする形で一石二鳥な訳です。

絞るとした決断力もすごいですね。いろいろな情報が入ってきてしまって混乱してしまった。そこで絞ったということなのですが、ここで混乱したままに散漫に手を付けてしまう方も珍しくはありません。

この決断時に、過去問は当然として、予備校問題集に絞ったのはどういう思考に基づいてなのか、一度伺ってみたいところです。

2.勉強の密度が高い

司法試験は範囲が膨大です。そのため、勉強したものはどんどん忘れていってしまいます。忘れるのは脳の構造上不可避なので、対策としては勉強密度を高めるしかありません。たとえば、普段1ヶ月かかる勉強をがんばって1週間でやったとしましょう。1ヶ月前のことより、1週間前のことは相対的によく覚えているわけです。

働きながら毎日4時間以上の勉強時間をとるというのは、結構大変です。これをやりきった意思力と体力はすごいです。

3.一度の不合格を通して勉強範囲を拡大している

最後に、一度の不合格の敗因分析を通して、足りないなと考えられて、論証集(と網羅性の高い問題集)を使っての勉強も追加されているのも良い点だなと思います。

実際、問題集1冊だけだと論点知識が足りません。なので論証集等は有益なのですが、これを本番試験(要は過去問)というゴールから考えて追加したことが重要です。巷に溢れる情報(あれやったほうがいいこれやらなくていい等)は根拠不明なわけです。一番客観的な情報源である本番試験・過去問に拠って修正するのが一番合理的です。

また、「問題集だけ」と固定化せず、柔軟に勉強範囲を広げたのも素晴らしいなと思います。司法試験は、知らないと解けない問題、ないしは知っておかないとダメな問題があります。それにもかかわらず、問題集だけずっと解いている方もいたりします。新しい教材に手を出すのは怖いし、面倒です。それでも不合格を通して必要だと判断されたのは素晴らしいと感じました。

4.まとめ

与五沢講師の勉強を一言でまとめるなら、「最も効率の良い受かり方」と言えるでしょうか(楽という意味ではありません)。

私は、現場思考型以外の司法試験に出る論点は、種本や百選を潰すことで、網羅して受かりました。

他方で、与五沢講師は予備校問題集・過去問・論証集で合格しているわけです。

おそらく、この3つの教材に出てくる問題・論点の練度・習熟度を極限まで高めれば、当該部分の点数を十分に取れ、多少知らない論点が出ても合格水準に達するということだと思います。もしくは、応用して未知の問題も解けるという感じでしょうか。

向き不向きがありますので、唯一無二の正解の勉強法とはいいませんが、非常に参考になる勉強方法だと思います。特に社会人受験生の方には参考にしていただきたいです。

他人を評する形になっており、ちょっと烏滸がましいかなと思いつつ、是非参考にしていただきたいなと思いましたので紹介いたしました。

このブログの人気の投稿

予備校論証集の使い方

短答で足切りされてしまった人へ【短答合格発表期向け記事】

今年の司法試験に落ちてしまった人へ【論文合格発表期向け記事】