予備試験における短答と論文の勉強のバランスについて
予備試験の勉強ですが、短答と論文の勉強のバランスで悩まれている方が多いので、記事で一案を挙げたいと思います。
今年の予備試験短答式試験に落ちてしまった人の参考にもなると思います。
◎論文の基礎は先に学ぶ
たしかに短答は足切りなわけですが、いきなり解いても効率が悪いです。理由については以下の記事をご覧下さい。幹と枝葉の関係というワードで解説しています。
加えて、たとえ短答に集中したとしても、結局論文は突破出来ないので、この点からも最低限の論文の基礎は身につけておかなければなりません。
以上を踏まえると、8科目のインプット講座等を一通り終え、予備校問題集を一通り解いた後に、短答に着手するという流れが良いと思います。
どうしても焦ってしまう場合は、予備校問題集と併行して進めても構いません。ただ、短答に使う時間は抑制的にしてください。
◎予備試験の短答式試験は甘くない
以上のように、論文の基礎を身につけることを優先してほしいわけですが、といっても、それを優先すれば短答も出来るというわけではありません。単に効率が悪いので先に論文の基礎を身につけた方が良いですよと言うだけです。
これは強調したいのですが、「短答は甘くない」です。もう一度言いますが、「短答は甘くない」です。大事なことなので2回言いました。
まず、倍率が高いです。加えて、短答試験日と論文試験日が分かれているので、予備試験受験生は短答式試験に全力を注いできます。必然、全体のレベルが高くなります。
そして何よりも、復権を目指している人以外は初学者の方が多いと思います。普通の密度で1~2年勉強しても合格は難しいです。高い密度と必死さが必要になります。
◎短答着手後は、短答を優先で
以上の予備試験の短答式試験の難しさを踏まえると、短答着手後は、合格水準に達するまでは短答を優先して勉強した方が良いでしょう。
優先とは、具体的にいうと、1日の勉強で、短答式試験のノルマを終えた後、残った時間で論文の勉強をするという流れで予定を立て、実施することです。
残った時間での論文の勉強は、論証集の通読や、週1の答案作成等になるでしょう。
もちろん、合格水準に達した後(実際に合格するか、後述の予備校模試で合格水準に達した後)は、勉強の比重を下げても構いません。
◎解く量の最低ライン
1日の短答ノルマの立て方も同じく以下の記事を見てください。要は「解かないとダメな問題数」÷「試験までの残り日数」です。なお、1年単位で考えてください。
「解かないとダメな問題数」ですが、肢別本か短答過去問パーフェクトを「全問題」2周することが最低ラインになるでしょう。これに、2周目で間違えた問題を再度解くことを合せて、総量は2周半くらいになります。※「半」は間違えた問題数を仮に設定したものです。
正答率の高い問題だけとか、年度別に遡るとして全年度やらないという人たちがいます。しかし、過去問で出た以上(上記2テキストに載っている以上)、合格水準の受験生は当然その問題も解いて出来るようになっています。普通に差がついてしまうので、やはり全問題を解いてください。大変でしょうけど、ここはなんとか乗り切ってください。
そして、これは「最低」ラインであることに注意してください。完全2周&間違えた問題の復習で、ギリギリ合格出来るかも、というくらいです。当然、3周、4周できるならすべきです。
◎予備校模試で自分の現在のレベルを確認する
予備校は、短答模試を毎月実施してくれています。本番まで自分のレベルが分からないというのは良くないので、定期的に模試で自分のレベルを確認することが重要です。
これは、単に自分のレベルを確認するためだけではなく、普段の勉強量にフィードバックすることで意味を持ってきます。合格水準に達していないなら勉強量を増やすということもあり得るわけです。
直前の模試で合格水準でないことに気がついても、時すでに遅しなわけです。普段からレベルチェックをしましょう。
これを過去問で行なうこともまぁありなのですが、肢別本や短答パーフェクトって過去問からできているので、それらで普段勉強しているなら点数が高くなるのは当たり前ですよね?やはり模試を受けてほしいと思います。
◎予備校の短答特化インプット講座は受けるべきか
これは悩みどころですが、あまり短答の点数が伸びないと感じるなら受けてみるのもありでしょう。こういう講座は、細かい知識の整理方法とか教えてくれるわけですね。たとえば、贈賄系の犯罪の整理方法とかです。ただ、こう言うのって、自分でちょっと整理してみたらできてしまうので、講座まで受けると逆に勉強時間が圧迫されるかなと思わなくもありません。まぁ、受けてみて、合わないなと思うと止めるというのもありでしょう。
◎最後に
繰り返しになりますが、予備短答は難しいです。といって、あわあわと無計画に勉強しても合格が難しいです。適切なロードマップを立て、着実にこなしていきましょう。そうすれば、受かることが出来ない試験ではありません。ファイトです。