教材と勉強する順番(6) 高みを目指す人の教材
◆高みを目指す人の教材
司法試験合格には必要ないけど、読めば楽しいですよ、という教材です。基礎知識との関係で読めば理解には資すると思います。ただ、やはり高度なので、よっぽどの状況出ない限り取り組む必要はないです。
この記事は、受験に必要な教材を見極めるために整理しているという面もあります。以下の教材は読めば法学理解は当然深まりますが優先順位を間違えないでください。「法学」ではなく「受験勉強」を優先してください。
◎基本書通読
読むと面白いのは間違いないです。私がはじめて通読したのは高橋刑法総論ですが、体系と論理の貫徹に感動しました。最近は潮見先生の書籍を参照したりします。論理的整理がされるとやはり知識は使いやすくなりますね。
ただ、100番台くらいで受かった知人がいますが、基本書は通読していないと言っていました。試験的には不要なわけです。もちろん普段から辞書的に用いるのは一般的に行なえば良いと思いますが、通読は不要です。
◎調査官解説
調査官解説を読んでいる人はいました。百選と調査官解説どっちがいいんだとかの議論もありましたね。判例の判断の前提として何が考えられていたのかが書かれていて判例の理解は深まります。ただ、試験では判旨を使う訳なので、やはり必要性は高くありません。
◎学術論文
読んでいる受験生はいました。ついぞ受験中に読むことはありませんでしたが、いま読んだりします。最近だと刑法における一連の行為の論文とか読みました。楽しいですよ。学者すごいってなります。よくこんなこと思いつくなとか。ただ、やはり試験にはここまでは不要です。
◎重判
これは法学と言うより、短答で高得点を目指す人用です。受験的目的がありますね。ただ完全に論点予測です。外れることも多いですし、ここまでやらなくても受かります。
また、論文用としては少々非効率だと思います。重判を知っていないと解けない問題というのは基本的に出ません。
◎大部の判例集
数百判例以上載っているやつですね。短答潰しといえなくもないですが、やはりやらなくても受かります。
◎判決直読み
これはもう研究に片足突っ込んでますね。普通は判旨部分しか読まないでしょうが、全体を通して読むことで論理展開や、基本的な価値判断が読み取れます。ただ、やらなくても受かります。
◆最後に
長かったですが、全教材の整理が済みました。この6つめの記事は力尽きて何も書いてないみたいなもんですね笑 まぁ、5つめの記事までやれば良い、6つめの記事に載っていることはやらなくても良いという観点が、初学者や中級者の勉強計画策定に資すれば嬉しいのですが…。
私の経験から思考が出発していますので、ある程度客観化・相対化してもやはり独りよがりな部分もあるかなと。使える部分だけとかでも参考にしてもらえれば幸いです。