民法の事案処理方法の基礎
(※以下、授業で使っているレジュメの抜粋です。全科目共通の項目として「事案処理方法の基礎」「問題文の読み方」「論点知識へのスタンスと使用テキスト」「応用問題の事案処理方法」「過去問のクセ」の5項目があります。前三者はブログに載せています。)
◆民法の事案処理方法の基礎
◎請求権パターンに沿って考える
1.請求権の特定
①誰が誰に対して
②何を請求して
③何を根拠にするか
物権:所有権、用益物権、担保物権
※所有権のときは、時効と即時取得を忘れがち
※先取特権を忘れがち
債権:契約、事務管理、不当利得、不法行為、(債権の拡張)
2.権利発生は認められるか:権利発生根拠の要件充足の検討
3.権利発生根拠を第三者に主張できるか:対抗問題
…要件事実的には抗弁の一種。事案処理としては、抗弁のなかでも第一に検討するということとなる。そもそも主張できなければそれで終わるので。
・物権は絶対効があるから原則誰にでも主張できる。
→しかし、例外的に物権変動についての「第三者」(民法177,178)に対しては登記・引渡しが対抗要件として必要。
・債権は相対効しかないから原則第三者に主張できない。
→しかし、それをふまえて第三者に主張できるかという論点が生じる。
⇒条文に明示されている場合とされていない場合がある。詳しくは後述。
4.抗弁(対抗要件の抗弁以外)
(1)ポイント
・各請求と抗弁を整理する必要がある。
・抗弁も、実体法上・対抗要件上の問題がある。
(2)注意点
・即時取得を忘れがち